必要なワクチン効果
序文
新型コロナのワクチンが漸く揃ってきた。ワクチンベンダーは効果を競っており、その効果は6割程度から9割程度まで幅がある。
一方、新型コロナ収束に必要なワクチン効果は不明で、効果により必要な接種率が変わる。
また、様々な変異種が生まれており、感染率の上昇やワクチン効果の減衰の情報も流れている。
いくつかの条件を想定し、どの程度のワクチン効果と接種率が必要かを考察してみたい。
想定
必要となる条件は、R0、元々のウイルスの基本再生算数、Vr, 変異種の基本再生産数の増加率、RGoal=Rg,ワクチンによる目標のR.接種率P、消毒やマスクによるR低減率A。
日本の緊急事態宣言前のRが凡そ1.2であり、そこからR0xA=1.2。
変異種の感染力増加率は1.4倍程度と言われており、そこから、R0xAxVr=1.2x1.4=1.68
これをRv=1.68とする。
また、目標となるRg=0.9と置く。
必要なワクチン効果
必要なワクチン効果を求めるため、接種率P=70%とし、必要なワクチン効果をVEとすると、
Rv x (1-VE x P ) = Rg
VE = ( 1 - Rg/Rv )/ P
VE = ( 1 - 0.9/1.68 )/ 0.7 ~= 0.66
必要なワクチン効果は、66%以上。
現状のワクチン効果
変異種に対する効果はワクチン毎に異なる。Johnson & Johnsonは、US,南米他の変異種での総合的な効果として66%としている。
US株と南米株も含めた値であり、南米株だけの場合は更に低いと想定される。
やや低めかもしれないが、この程度なら、許容範囲かもしれない。