qshinoの日記

Powershell関係と徒然なこと

ウマ娘、脚質速度、加速度補正

脚質補正

脚質補正には、速度を補正する脚質速度補正kuvと、加速度を補正する脚質加速度補正kuaがある。

脚質速度補正kuv

まずは、脚質速度補正kuvが使われる基礎目標速度速度vtbとスパート速度vtsの計算式を示す。

基礎目標速度vtb

vtb = gd √(cs) + vb (kuv+cr)

スパート速度vts

vts = 2.05 gd √(cs) + vb(0.01+1.05(kuv+cr)) 
gd 距離適性
cs = hs/500
hs 補正スピード
kuv 脚質速度補正
cr 賢さランダム項[cru-0.0065, cru]cru cr上限、=hj/5500 x log10(0.1hj)/100
hj 補正賢さ

便宜的にvtb, vts算出式の右辺第一項を補正スピード項、第二項を基準速度項と呼ぶ。補正スピード項は育成ステータスのスピードを元に算出される。基準速度項はレース距離により一意に決まるレース基準速度vbに係数を掛けたものであり、賢さランダム項crを除き、同じ脚質のウマ娘は同じ値である。

なお、csは育成ステータスのスピードから算出される補正スピードhsを使い、cs=hs/500と表される。

補正スピードと速度

補正スピードhsとvtb, vtsのグラフを以下に示す。灰色が基礎目標速度vtb, 緑がスパート目標速度vts。但し、vb=20(m/s), kuv+cs=1, 距離適性gd=1とする。

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上記グラフ緑線、スパート目標速度vtsを見ると、横軸補正スピード1200時縦軸は極めて大きく、約24m/sにも及ぶ。基礎目標速度21.5m/sに対し2.5m/sも増加しており、基本的な加速度(補正パワー500時)の0.3m/s2の場合、vts到達に約8秒かかる。

また、レース基準速度に対する差分の二乗で増加する燃費もかなり悪くなり、大量の持久力が必要となる。ウマ娘では、ゴール迄の持久力が充足する時点からスパート開始であり、補正スピードが大きいと、持久力不足によるスパート開始遅れもあり得る。

燃費と持久力

燃費pc = 20 fve x kfe x khe x fspt

速度体力補正fve

fve = (vc-vb+12)2/144

レース基準速度vb=20m/s, 現在速度vc=24m/sの場合、fve=1.78

また、根性300時のスパート補正fspt =1+1/3/√(hk/600)=1.47

よって、通常時の 1.78x1.47=2.62倍の燃費となる。

補正スピードが大きく、十分なスタミナがない場合、スパートがかなり遅くなる事もある。補正スタミナと補正スピードのバランスがスパート時期の重要な鍵になる。

一方、fve計算式から、速度が遅ければ燃費が改善する。スパート時は燃費が悪化する為、持久力の効率利用という意味で、燃費の良い序盤中盤で速度を上げ、燃費の悪いスパート速度を抑える策が最善。これは逃げの戦法に一致する。つまり、ウマ娘の逃げウマはスタミナ効率が高い。但し、各種脚質補正があり、脚質補正後も同じ事が言えるかどうかは分からない。

所要持久力

必要な持久力resは、pc/pcsを非スパート、スパートそれぞれの燃費として、

res = pc x 非スパート時間 + pcs x 終盤/スパート時間

このres < 持久力en であれば、終盤開始と共にスパートが始まる。持久力enを下記に。

en=レース距離+0.8 x kun x he

kunは脚質持久力補正。heは補正スタミナ。同じ補正スタミナ値でも脚質により持久力が異なる。

脚質持久力補正kun

逃げ0.95, 先行0.89,差し1.0, 追込0.995。

差しが最も良く、先行が最も悪い。先行のスーパークリークアグネスタキオンの固有スキルが回復であるのは、この様な仕組みが影響しているのかもしれない。

また、燃費計算に脚質補正は使われていないが、持久力計算に脚質補正がある。スタミナ値が同じでも持久力は脚質により異なる事に注意が必要。金回復は初期持久力の5.5%回復だが、脚質が違えば、同じスタミナ値でも回復量が異なる。また、補正スタミナ計算にはやる気が入っており、やる気が低いと持久力も下がる。

所要持久力計算

序盤, 中盤, 終盤(スパート含む)夫々の速度をv0, v1, v2, 夫々の所要時間をt0,t1,t2, 夫々の距離をl0, l1, l2、夫々の燃費をpc0, pc1, pc2とすると、所要持久力resは、

res = pc0 x t0 + pc1 x t1 + pc2 x t2

t0 = l0 / v0
t1 = l1 / v1
t2 = l2 / v2

l0 = rl/6
l1 = rl/2
l2 = rl/3

rl = レース距離(m)

vtb(kuv) = gd √(cs) + vb (kuv+cr)
vts(kuv) = 2.05 gd √(cs) + vb (0.01 + 1.05(kuv+cr))

v0 = vtb(kuv0)
v1 = vtb(kuv1)
v2 = vts(kuv2)

pc0 = 20 fve0 x kfe x khe0
pc1 = 20 fve1 x kfe x khe1
pc2 = 20 fve2 x kfe x khe2 x fspt

fve(vc) = (vc-vb+12)^2/144

fve0 = fve(v0)
fve1 = fve(v1)
fve2 = fve(v2)

以上に適切なパラメータを投入すれば、必要な持久力が求められる。

但し、ここでは加速度=無限、序盤中盤等の各フェーズで等速で走るとしている。

実際は加速度は有限かつフェーズ内で速度が変動する為、ズレが生じる。

脚質速度補正値

レース序盤、中盤、終盤、スパートの各フェーズでの脚質速度係数と、スパートの脚質速度補正x1.06の値を示す。

脚質、序盤, 中盤, 終盤/スパート, スパートx1.06
逃げ、1.000, 0.980, 0.962, 1.019
先行、0.978, 0.991, 0.975, 1.034
差し、0.938, 0.998, 0.994, 1.054
追込、0.931, 1.000, 1.000, 1.060

全体距離、序盤1/6、中盤1/2、終盤1/3の比率から、補正スピードや賢さランダム補正を無視(それぞれ0想定)した、脚質毎の平均速度係数cuを下記に。

また、参考として、距離2000m時に先行との差を馬身で示す値を下記に示す。

脚質毎の平均速度係数cu

脚質、平均速度係数cu、時間2km, 追込差(s)、馬身(dhl)
逃げ、0.977, 102.35, 1.24, 9.92
先行、0.984, 101.63, 0.52, 4.16
差し、0.987, 101.32, 0.21, 1.68
追込、0.989, 101.11, 0.00, 0

平均速度で見ると、追込みが最も早く、逃げが最も遅い。距離rl=2000mのレース基準速度vb = 20m/s と馬身hl = 2.5mから、差を馬身で表すと、追込みと逃げでは、約10馬身の差、或いは1.2秒の差がある。

馬身差の計算式は下記。

追込の平均速度係数をc追込とすると、

馬身差dhl(cu)
= 追込との時間差 x 平均速度/馬身
= (各脚質の時間-追込の時間) x vb / hl
= (距離/脚質平均速度- 距離/追込平均速度) x vb /hl
= (rl / (vb x cu) - rl/(vb x c追込))x vb /hl
= rl (1/cu- 1/c追込)/hl

ここでc追込=0.989から

= rl/hl(1/cu-1/0.989)

但し、ここでは加速度無限を想定している。逃げは徐々に速度が落ち、理想的にはパワー不要。一方、追込み他は、中盤、終盤で加速が必要な為、速度ステータスに注力できる逃げに対し、パワーステータスも上げる必要がある。

スパート補正考慮

スパート補正を考慮すると、脚質速度補正から、

脚質、平均速度係数cu、時間2km, 先行差、馬身 
逃げ、0.996, 100.4, 
先行、1.003, 99.70
差し、1.007, 99.30
追込、1.009, 99.11

但し、上記は補正スピード=0、賢さランダム=0の場合を想定。

脚質加速度補正

逃げ、0.996
先行、0.996
差し、1
追込、0.997

体力

燃費

以上